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机上計算:長い下髭陽線は、「買い」か…。

前説

Pythonで株の買い時を見つけるプログラムを書いています。いくつかの本を参考にしています。
要点をつまんで、「ラク」に買い時がみつからないものかとイロイロやっていますが、いずれも100%の方法はありません。

しかし、いくつかヒントになりそうなこともあり、この際、ネットに情報を出してみて、皆さんのご意見を伺おうと思い、この記事を書くことにしました。

確率極めて高い下ヒゲの陽線

''株「デイトレ」の鬼100則 (アスカカルチャー)''(152ページ)に「確率極めて高い下ヒゲの陽線」の見出しがありました。
「大底からの反発を狙う」(同152ページ)ということで、この下ヒゲ陽線の「ワンパターンでも良いから、(略)勝利の確率が極めて高くなる」(同153ページ)と期待を持たせてくれることが書いてありました。

高い確率で底値圏を暗示する「長い下ヒゲ陽線」

「高い確率で底値圏を暗示する『長い下ヒゲ陽線』」の見出しがあったのは ''最新 デイトレ対応版 株価チャート読み方の基本'' の94ページです。「長い下ヒゲの陽線が、株価反転のシグナルになりやすい(略)」(同94ページ)としています。

底値圏の下ヒゲは、株価上昇のシグナルか

先にあげたふたつによると「下ヒゲ陽線」が底値圏に出現すると上昇の可能性を示すシグナルのようです。で、爺、考えてみました。「底値」というのは後になってわかることですし、現在の株価は、期間の考え方によっては「底値」「高値」のどちらにもなりえます。また、どちらの本も「デイトレード」に対応するように書かれていますので、いかにも考える方向を決めるのに困ります。日中の「歩み値」または「5分足」を自由に取得できる環境にあれば検証できますが、貧乏人の爺にはできません。

それで、「日足」で似たようなことになるのか確かめてみました。

ネット上のデータを漁ってみました

日々の株価の動き(始・高・安・終・売買高)はネット上にいくつかあります。9201(日本航空)を例にすると、以下のような感じです。

「時系列」で株価の動きを「スクレイピング」しました。概要は次のような手順です。

  1. 東証上場銘柄一覧」をダウンロードし、ETFなど関心外の銘柄を削除し、CSVで書きだす(ファイルA)。
  2. 使えるお金が限られているので株価上限を決め、ファイルAから、範囲内の銘柄コードをCSVで書きだす(ファイルB)。この時、「流動性」も考慮し、最低売買高(株数)を設定し、満たさない銘柄は削除しておくと、後々ネット上に探しに行く銘柄数が減って、時間短縮になります。なお、300~1000円ほどの株価範囲でスクレイピングしました。
  3. ファイルBにある銘柄につき、株価の動き(始・高・安・終・売買高)をネット上から取得します。言語はPythonを使いました。人間には数字に見えても「文字情報」であったり「カンマ」や、約定数0などのこともあり、一定の文字加工、例外処理が必要でした。
  4. 前項で取得した株価のうち、設定条件(後述)に合うものをリスト(配列)に取り込みます。これは、PC画面1ページに表示されるN日分すべてについておこない、次のデータを蓄積しました。3日前に設定条件に合致したデータがあったとして例示します。
    • 3日前:条件に合った銘柄CD見つける
    • 2日前:銘柄CDの株を「始値」プラス1円で無条件に株を購入する
    • 1日前:銘柄CDの株「高値」を記録し、購入価格との差額を確認する
結果は次の通りでした

2020年12月17日 8005 買 734 円 翌日高値 747 円 差 13 円
2020年12月18日 7970 買 961 円 翌日高値 954 円 差 -7 円
2020年12月18日 8935 買 1031 円 翌日高値 1041 円 差 10 円
2020年12月21日 2009 買 1022 円 翌日高値 1011 円 差 -11 円
2020年12月21日 2178 買 451 円 翌日高値 459 円 差 8 円
2020年12月21日 2485 買 409 円 翌日高値 406 円 差 -3 円
2020年12月24日 2874 買 864 円 翌日高値 871 円 差 7 円
2020年12月24日 4228 買 531 円 翌日高値 542 円 差 11 円
2020年12月24日 7970 買 935 円 翌日高値 943 円 差 8 円
2020年12月24日 8934 買 894 円 翌日高値 904 円 差 10 円
2020年12月28日 5803 買 475 円 翌日高値 483 円 差 8 円
2020年12月28日 5951 買 910 円 翌日高値 936 円 差 26 円
2020年12月30日 4689 買 626 円 翌日高値 642 円 差 16 円
2021年1月12日 1824 買 903 円 翌日高値 926 円 差 23 円
2021年1月12日 2378 買 886 円 翌日高値 887 円 差 1 円
2021年1月12日 2767 買 470 円 翌日高値 487 円 差 17 円
2021年1月12日 3179 買 937 円 翌日高値 960 円 差 23 円
2021年1月12日 6615 買 445 円 翌日高値 470 円 差 25 円
2021年1月12日 7291 買 501 円 翌日高値 510 円 差 9 円
2021年1月13日 7593 買 442 円 翌日高値 444 円 差 2 円
2021年1月4日 6237 買 813 円 翌日高値 815 円 差 2 円
2021年1月5日 1824 買 909 円 翌日高値 915 円 差 6 円
2021年1月5日 3169 買 648 円 翌日高値 667 円 差 19 円
2021年1月5日 8168 買 753 円 翌日高値 750 円 差 -3 円
2021年1月7日 1890 買 446 円 翌日高値 464 円 差 18 円
延べ25銘柄を単純に計算すると238円ほどのプラスになりました。ええ、机上計算です。

落とし穴に注意

購入は始値より1円高い値付けなので、ほぼ買えると思います。しかし、売値はどこにも担保はありません。翌日値段がマイナスだと、いつ手放すのか、という問題が起こります。また、高値がいくらになるのかわかりませんので、0円以上の適当な値段を「期待」というよりほかありません。また、チェックした期間が最近のこと(日経平均上昇トレンド)ですから、これに助けられていることも忘れてはなりませぬ。抽出したのは「底値圏」だけでなく、条件を満たす全件の結果です。

机上計算の購入延べ25銘柄につき、翌日高値との差額3円未満は7銘柄(28%)です。

設定条件のいくつか

「長い下ヒゲ」といっても、なにをもって「長い」とするのか定かでありません。いくつかの値を試してみました。(1)単純に数値、(2)株価に対する割合、(3)陽線本体(終始値差分)との割合、(4)その他、などです。株の価格帯によっても「設定値」はイロイロ調整した方が良いのか、業種によって使い分けるのか、などわからないことばかり…。
また、陽線本体の値幅がどうなのかということもありそうです。今回、上髭はゼロの銘柄だけを選択しました。そうなると「丸坊主」の扱いはどうしたらよいのか、ということも必要でしょうが、スルーしました。

計算通りに売買できるはずもありませんので、延べ25銘柄を単純に計算すると238円という結果の何割を実現できるか、購入当日の売買ではどうなるか、などなど不明なことがいっぱいです。

自己責任にて…。