申告納税制度と賦課課税制度
「国の税金は、納税者の一人一人が、自ら税務署へ所得等の申告を行うことにより税額が確定し、この確定した税額を自ら納付する申告納税制度を採用」と国税庁サイトは納税の基本を示しています。
- 申告納税制度の理念とその仕組み:国税庁サイト
- (資料6)諸外国の所得税の課税方式と立証責任の所在(未定稿):内閣サイト
「申告納税」(納税者側が申告)、「賦課課税」(課税当局が課税)のふたつの方法があるようです。事実認定の立証責任(≒課税額が適切かどうか)について、日本の場合「一般的に税務当局にある。」(内閣府サイト)とされています。
22日、鈴木財務大臣予算委員会答弁
ネット上で22日の鈴木財務大臣が衆議院予算委員会でおこなった答弁が話題です。
同答弁をうけ、ネット上では批判的な反応を見かけます。
- 「自由納税党」爆誕:YAHOO!ニュース
- 鈴木財務相「納税行うかは議員が判断すべき」発言に怒り爆発の人続出。「国民も納税は自己判断でいいってこと?」:HUFFPOST
納税について「(略)政治家が政治責任を果たすという観点から判断されるべき」と述べた鈴木大臣ですが、爺はこの点について不満があります。
「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」(憲法第30条)とされています。同条文は「第三章 国民の権利及び義務」内にあり国民全体を対象にしています。「政治責任から(略)判断」とのみ答弁し、「国民の義務」に触れないままの同大臣の答弁は、議員も国民の一人であるという当たり前の点に言及しておらず、不足があります。
「課税上、問題があるかは、独立的に国税庁で判断(略)」鈴木財務大臣
「課税上、問題があるかは、独立的に国税庁で判断されるべきだ。国税当局として疑義がある場合は適切な対応をとる方針だ」:NHKサイト
同大臣は、22日の同委員会答弁で「課税上、問題があるかは、独立的に国税庁で判断」としています。ここは、大切なポイントです。
国税庁(が独自に)問題の有無を判断するとしているわけで、今後同庁がどのような判断をするのか注目されます。
財務当局・責任者として税務当局の動きに介入しないと宣言しているわけで、確定申告が終わってから国税庁が「査察官は見つける」(PDF)をどう体現するのか目が離せません。